2021年最新 中国流行語20選

2021年最新版 中国流行語20選

日本でも毎年新しい言葉が生まれては消えていきます。中国も同じで、毎年、特にネットの世界では下手をすると毎週ペースで新しい言葉が生まれていきます。特に世界中で大きな変化のあった2020年~2021年にかけては例年以上に色々な言葉が生まれました。

コロナ禍から生まれた中国語

2020年の大きなトピックと言えば、やはり新型コロナウィルスです。日本でも「三密」「ソーシャルディスタンス」など新しい流行語が生まれましたが、それは中国も同じです。コロナ禍で流行した中国語にはどんなものがあるのでしょう?

1,人民至上,生命至上(Rénmín zhìshàng, shēngmìng zhìshàng)

「人民至上主義、生命至上主義」と言った意味でしょうか。たくさんの人たちの命が脅かされた2020年のスローガンとして流行した言葉です。国家戦略やエッセンシャルワーカーの皆さまの合言葉としても広く用いられました。

2、逆行者(Nìxíng zhě

「逆行者」とは多くの人たちとは逆方向へ進む人の事です。日本語で言うと「あまのじゃく」と言ったニュアンスに聞こえますが、これは実は誉め言葉です。「大きな危機に瀕した時、自分の身の安全を顧みず、他人の命を救う人」という意味があります。

こちらもコロナ禍から生まれた言葉で、医療従事者や警察などのエッセンシャルワーカーへの敬意をこめて使われました。

3、飒(sà)

「飒」とは一般的に風が吹くときに使われる擬音ですが、この場合は颯爽としてかっこいい、おしゃれな人、特に女性を指す言葉です。コロナ禍の中国で医療に従事した医師のうち50%は女性で、看護師に至っては90%が女性でした。最前線で戦う女性の姿を表現した言葉です。

4、神兽(Shénshòu

直訳すると「神獣」ですが、これもコロナ禍で生まれた新しい言葉です。2020年上半期は中国でもオンライン授業が主流となりました。ネットを使っての授業は先生の目が届かない事も多く、頭の良い子はそれらを利用して色々な悪戯、さぼりをするように。ご両親たちも子供を勉強させるのに疲れ果て、「早く神獣(頭のいい子)を檻(学校)に返したい」と言う事から、神獣はコロナ禍でオンライン学習させられた子供たちの呼び名となりました。

5、直播带货(Zhíbò dài huò

これもコロナ禍で流行したものの一つです。「生配信販売」と言う感じでしょうか。ネットで生放送しながら商品を紹介するテレビショッピングの生配信版です。視聴者がコメントで質問すると、配信者がすぐに反応して回答します。疑問点がすぐ解決するので、購入率が高くなります。店舗販売が出来なくなり、在庫がかさむ中、メーカーにとっても救い主となりました。

ニュータイプの中国人をいじる中国語

中国では人々の考え方も日進月歩。価値観や習慣の変化も激しく、そんな中でニュータイプの人たちが生まれてきているようです。そんな人たちをいじるユーモア溢れる新語たちです!

6 、巨婴(Jù yīng

ネットで流行した言葉で、読んで字のごとく「大きな赤ちゃん」です。「見た目は大人なのに中身は赤ちゃんのまま」という意味で使います。通常メンタルが成長しきれていない大人を揶揄する言葉です。

7、佛系(Fú xì

通常後ろに「男子」という言葉がついてセットになる事が多いです。いわゆる「仏教系男子」で元々は日本の雑誌で紹介された言葉が中国に入ったもの。見かけは普通の人と同じように見えるけれど、自分の趣味が一番で、マイルールやリズムを崩したくないタイプ。恋愛が苦手で、一人が大好きな男子の事です。草食系男子のアップグレード版ですね!

8、凡尔赛文学(Fán’ěrsài wénxué)

「ベルサイユ文学」のベルサイユとはベルばらつまり日本の漫画『ベルサイユのばら』の事です。「○○ちゃんは太りやすくていいなぁ。私なんていくら食べても太らなくて~」のように、本当にそう思っているわけではなく、マウントを取るためにわざと卑下するような言い方を指します。中国では自慢話ははっきりする事が多いので、こういう表現はまどろっこしいのだとか。ベルばらがそんな言い方をしているかどうかはやや疑問です。

9、苹果婊(Píngguǒ biǎo)

名付けて「アップル嬢」でしょうか。ちょっと前に流行した「緑茶嬢」のアップグレード版です。「緑茶嬢」は皆の前では清楚にふるまっているけれど、実際は堕落していて、お金が一番!人前に出る時だけ清楚で人畜無害な顔をしている女子の事だそうです。

ここからアップグレードした「アップル嬢」は「新しいアップル製品を他人にせがむ女子」だそうです。アップル製品限定なのが面白いですね!

10、单肾贵族(Dān shèn guìzú)

「新型iPhoneを買うために、腎臓を売る人」という意味で使う悪い言葉です。そこから転じて「お金があるように見せかけているけれども、実はお金のない見栄っ張り」という意味でも使われます。「苹果婊」といい、さすがアップルです。

やっぱり多い、ネットから生まれた中国語

新語と言えばやっぱりネットの流行語でしょう。日々新しい言葉が生まれては消えていく流行語の最前線です!

11、暴风哭泣(Bàofēng kūqì)

ネットで流行中の泣いている様子を表した言葉です。「大号泣」「台風級の号泣」みたいな感じでしょうか。感動や衝撃を表すための誇張表現です。日本のネットでも「ずっと泣いてる」などいいますね!

12、小公举(Xiǎo gōngjǔ)

「小公主」から出来た言葉で、乙女心を持ち、少女趣味の男性の事を指します。甘えたような話し方をする男性の事もこう呼ぶそうですよ。元々は周杰倫が自分自身を「ヒロイン願望(有公主梦)がある」と言った事から出て来たそうで、彼の結婚によって一気に流行したのだとか。

13、打call(Dǎ call)

ネットで流行した言葉です。初出は2017年なので少し前ですが、2021年度の流行語にもランクインしていました。意味はそのまま「コールする」。ヲタ芸の一種で、日本のコンサート等での応援文化を表したもの。ライブの時に音楽に合わせて叫んだり、ペンライトを振ったりする行為の事を言います。

14,逼格(Bī gé)

「装逼」とも言い、ネットでは「格好つける」「偉そうにする」のように、実際は大したことがないのに、自分を良く見せようとする人に使います。いわゆるマウントを取って来る人の事ですね。「B格」「装B」という言い方も良く使われます。13格という言い方もあるそうですよ!

15,Wuli

韓国語の「私たち」から出てきた言葉です。仲間や恋人、推しの芸能人などに「wuli+自分の名前」で使います。中国語では親しい人に使いますが、韓国人的には普通の言い方だそうです。

当て字から出来たネット用語

ネット用語は当て字の宝庫。ほぼクイズのような状態になっています。下の5つの言葉、元の言葉が想像できますか?

・集美

・狗带

・U1S1

・「蓝瘦」「香菇」

・雨女无瓜

16、集美(Jíměi)

有名な配信者「郭老師」の発言から出来た言葉です。彼女は発音があまり正確ではなく、「姐妹们(Jiěmèimen)」が「集美(Jíměi)」に聞こえたとか。それを多くの人たちが口真似し、流行ったそうです。ちょっと可哀想ですね。

17、狗带(Gǒu dài

こちらは「go die」の当て字です。元々は中国の芸能人である黄子韜さんのコンサートで出た言葉だそうです。

18、U1S1

ネット用語のアルファベット数字省略シリーズです。「有一说一实话实说」の意味で、「本当の事を言うと」というようなニュアンスで使われます。

19、「蓝瘦」「香菇」(Lán shòu、xiānggū

こちらも発音がはっきりしなかったシリーズです。広西省南寧の男性が失恋した後の配信で「难受(Nánshòu)(辛い)」「想哭(Xiǎng kū)(泣きたい)」と言ったのが「蓝瘦(Lán shòu)」「香菇(xiānggū)」と聞こえたために広がったとか。失恋したばかりなのに更に追い打ちを掛けられて可哀想です。

20、雨女无瓜(Yǔ nǚ wú guā

こちらも発音がはっきりしないシリーズ。本来は「与你无关」で「お前には関係ない」という意味です。『巴啦啦小魔仙(Balala the Fairies)』という特撮ドラマで遊楽王子というキャラクターが発したセリフだそうです。彼の話し方が巻き舌で「与你无关(Yǔ nǐ wúguān)」が「雨女无瓜(Yǔ nǚ wú guā)」に聞えた事から流行しました。作品自体は大分前なのですが、ネットで「昔遊んでくれたお姉さんが遊楽王子の人と結婚した」と発言した人がいて、それで議論になったため、昔の作品が掘り起こされて流行したそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?コロナ禍から出て来た真面目な中国語から、言い間違えによる当て字まで様々な単語がありますね!発音ミスが流行してしまうのはちょっと可哀想な気もしますが、配信者や俳優さんにとっては話題になるのは良い事なのかもしれません。

ユーモアあふれる面白い言葉たちが、どの位定着していくのかも今後の楽しみです!

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